FXでよく用いられる両建て取引。リスク管理の手段として用いられるこの取引方法は、一見バイナリーオプションとは関係なさそうですが、一定条件下で相当な威力を発揮することも。今回はその両建てが威力を発揮する場面とそうでない場面を例に出しながら話を進めたいと思います。
そもそも両建て取引とは?
具体的な例に入る前に、そもそも両建て取引とは何なのかについて簡単に説明します。
簡単にいえば、「ハイ・ロー両方に賭けてリスクを回避」するものです。例えばFXでは損切りのためにこの両建て取引が実践され、バイナリーオプションのように取引時点で損失額が確定されないのでいつでもその損切りができるような体制を整えておきます。
例えば、アメリカドルを買ったけど、円高が進んでしまい、これ以上損が増えたら困るといった時に、両建てをしていた場合は、アメリカドルを売ることができます。
ただ現実的には損益の相殺やポジション管理が複雑なのでFXでは敬遠するトレーダーも少なくありません。またポジションをむやみにどんどん増やしてしまうといった危険もあるという指摘もないこともないです。
そういったリスク管理と安心が、最大のメリットと言えるのが両建て取引です。
ハイ・ローではあまり意味がない
バイナリーオプション、特にハイ・ローに関して言えばこの両建てをしたとしてもあまり意味がありません。
なぜなら仮に2,000円をハイ・ローどちらにもかけたとしてもペイアウト率はたかだか1.7倍からよくて2倍なので、勝った場合でも
4,000円(払い戻し)-4,000円(元手)=0円
となってしまい、結局利益は0円。まして負けてしまった場合2,000円のマイナス収支に陥ることに。これではリスク管理どころかリスクしか発生しない取引を続けてしまいます。、とてもお勧めできない取引手法です。
それでは一体この両建て取引はどのような場面で使うのがベストなのでしょうか?
ワンタッチ取引のとき威力発揮!
それはペイアウト率が500%を超えるときが頻繁にある取引方法、例えばワンタッチ取引が良い例です。
先ほどの2,000円を両方に賭けたケースを元に話を進めると、もし勝った場合
10,000円(払戻金)-4,000円(元手)=6,000円
まさにギャンブルと言えますが、-4,000円のリスクを抱えながら10,000円の払戻金を目指すのであれば確かに魅力的な取引条件といえます。
結論からいえば「両建て取引はペイアウト率や配当率が高いときに使うのがベスト」というとになりますが、その分だけリスクは背負わなければならない、という点は心に留めておいた方が良いでしょう。
米雇用統計発表時にチャレンジ?
ただできればそのリスク、抑えられるだけ抑えたいところですよね?一概には言えませんが、そのリスクを回避しながらも取引できるタイミングがあります。それが米雇用統計発表のときです。
一般的に市場の予想がしやすいとされる雇用統計なので、確かにペイアウト率や配当率は下がる可能性が高いのですが、他の取引方法と比較しても依然として高い水準にあるので有効な手段としてトレーダーの間では用いられています。
以上、そもそも両建て取引とは何か、どういうケースで利用すれば良いのかまで話してきました。バイナリーオプションとは無縁と思わず、一度試して見る価値はある方法だと思います。